虫歯
皆さんがお口の中の病気として最初に思い浮かぶのは虫歯ではないでしょうか。
虫歯についてまず最初に知って欲しいことは、本当の意味で虫歯は治らないということです。虫歯で溶けてしまった歯は二度と元には戻りません。あくまでも歯の代わりとして金属やプラスチックで穴を埋めているだけです。ですから、一番大切なことは虫歯にならないことです。もし虫歯になってしまったらなるべく早く治療することです。ただ、虫歯は初期の小さいものではほとんど症状がなく自分ではなかなか気づかず進行します。痛みが出たときにはかなり進行し、最悪歯の神経(歯髄)を取ることにもなりかねません。早いうちに治療した方が歯を削る量も少なく、治療にかかる時間も少なく、痛みも少なく、費用も少なくすむことが多いのです。症状が出る前にしっかり検査をし最小限の治療ですむようにすることが大切です。
エナメル質:歯の一番外側にある最も固い部分 象牙質:エナメル質の内側にある部分
進行度C0
進行度C1
進行度C2
進行度C3
進行度C4
歯周病(歯槽のう漏)
お口の中の病気として、むし歯に並んで思い浮かぶのが歯周病ではないでしょうか。
歯は何によって支えられていると思いますか?ほとんどの方は歯ぐきと思っているのではないでしょうか。そして、歯周病は歯ぐきの病気と思っているのではないでしょうか。歯は歯槽骨(しそうこつ)という骨に支えられています。歯周病はこの骨に細菌が感染し骨が溶ける病気です。そしてこの病気の厄介なところは、一度溶けてしまった骨は元には戻らないということと、ほとんど症状が無いため気づいたときにはかなり進行していることが多いということです。最悪、歯を抜くしかないということにもなりかねません。成人の歯を抜く原因としてはむし歯と同じかそれ以上と言われています。また、口臭の原因としてかなりの割合を占めています。そうならないためには早いうちに歯周病の治療や予防をする必要があります。
歯垢(しこう):歯の表面に付着した黄白色を帯びた粘着性の物で歯周病や虫歯の原因 歯石(しせき):歯に付着した歯垢が石灰化したもの
歯根(しこん):歯の下部の歯槽骨という骨の中に入っている部分
歯の根の病気(根尖性歯周炎)
以前に歯の根の治療を受けている歯や、むし歯などで細菌が歯の神経(歯髄)までおよんだものを放置し神経が死んでしまった歯では、細菌が歯の神経の通り道を通り歯の根の先で増殖し、痛みや腫れが生じます。神経をとったのに歯が痛いのはこのためです。この場合、再度歯の根の治療が必要になります。この病気は痛み無く進行することもままあり、病気や疲れなどで身体の抵抗力が落ちたときや病巣を刺激した時に急激に腫れたり痛みを生じたりします。しかし、痛み無く進行している場合、顎の骨の中で進行しているので外から見てもわかりません。この場合はレントゲン撮影が必要になります。歯の根の先の病巣があまり大きくなると、歯の根の治療では治すことができなくなり歯を抜かなければならないともありますので、定期的なレントゲン検査が大切になります。
歯の欠損
むし歯、外傷などの理由で歯が無くなると他の歯に影響を及ぼします。例えば抜けた歯の隣の歯が抜けたスペースに倒れてきます。倒れてきた歯は当然傾きますし、もともと歯が抜けたことで歯1本分あったスペースは狭くなります。また、上下で噛んでいたもう一方の歯は、噛み合う歯が無くなったことで、抜けた歯の方にのびてきます。その結果、歯並びが悪くなったり、噛み合わせが悪くなったりします。そして、いざ治療をしようと思うと、歯の抜けたスペースが狭くなっているため、形の悪い小さな歯しか入らなかったり、ひどいときはそのままでは歯を入れることができなくなります。そうすると歯を入れるスペースを作るために、本来治療しなくてもいい隣の歯や噛み合っていた歯まで削って被せたり、最悪歯の神経を取らなければいけなくなります。ですから、歯が抜けてしまった所はそのまま放置せず、早めに治療することが大切です。
口内炎
口内炎とは口の中の粘膜にできた炎症症状の総称です。皆さんが経験している口内炎の多くはアフタ性口内炎といわれ、米粒大の白い潰瘍ができて、食べ物などが触れるとものすごく痛いです。このアフタ性口内炎の原因は、じつはまだ明らかになっていません。ビタミンB不足や鉄分不足、体調不良や体質的なものなどいろいろいわれていますが、どれも確実ではありません。
この他にもカビやウイルスが原因のものや、全身疾患の症状の一つとして現れるもの。傷の炎症、がんに変化する可能性のあるものなど、多数存在します。中には一般的な口内炎用の軟膏を使用すると逆に悪化してしまうものもあります。2週間を過ぎてもよくならないときは、できれば口腔外科を専門にしている歯科医院を受診しましょう。
親知らずの痛み
「親知らずが痛い!」というのはよく聞く話だと思います。しかし、実際は親知らずという歯が痛いのではなく、歯の周りの歯ぐきが腫れて痛いことがほとんどです。では、何故痛くなるのでしょうか?原因は親知らずが中途半端に生えてきたことでその部分に汚れが溜まり、しかも歯ブラシがうまく届かないことでその汚れを取ることができないことです。では、この親知らずは待っていればしっかり生えるのでしょうか?これは、レントゲン撮影をして、親知らずがどの方向に向いているのか確認する必要があります。まっすぐ向いていない場合はしっかり生える可能性はほとんどありません。一度痛くなったことを考えると抜歯した方が良いことも多いです。親知らずの抜歯は一般的な抜歯よりも大変なことが多いので、できれば口腔外科を専門にしている歯医者で抜いてもらうことをお勧めします。
顎関節症
顎関節症の症状には、「口が開かない」「口を開け閉めするとカクンと音がする」「口を開けると痛い」などがあります。特に音がする方は意外と多いのではないでしょうか。顎関節症の治療法はいくつかありますが、これをすれば必ず良くなるという決定的な治療は無く、とくに音がするだけの場合は積極的な治療の必要性が無い場合もあります。逆に音を消す確実な方法もありません。顎関節症治療は「口が開いて痛くない」状態に少しでも近づけることです。治療法は保存治療が一般的で、症状によっては外科的な治療を行う場合もありますが希です。
具体的な治療法としては、鎮痛薬の服用で関節内の炎症を鎮めるとともに、スプリントといわれるマウスピースのような物を使うのが一般的です。
皆さんの生活において口を開ける、食事をすることは日常的な行為です。顎関節症によってこれらの行為に支障がでるのはかなりストレスです。早めに治療を行い症状を改善させましょう。
口臭
人には言えないが実は口臭が気になるという方は意外と多いのではないでしょうか。一度口臭が気になってしまうと、仕事やプライベートにおいても自信を持ってしゃべる事ができなくなり、下手をするとその人の生活をも左右しかねません。
口臭の原因の90%は口の中にあると言われています。その中でも大きな原因は歯周病を起こす細菌です。歯周病は自覚症状が無く進行する事が多いため、口臭が気になる方は一度歯科医院を受診し、検査する事をお勧めします。
当院では口臭測定器を使い、口臭の有無を数値で確認することができます。自分に口臭があるのかどうか確かめたい方は一度ご相談ください。